ウェブサイトを作る上で気をつけなければいけないのが著作権の侵害ですよね。
他人のウェブサイトに自分のサイトで使いたい画像があった、または資料があったけど使っていいのかな・・・初めてサイト作成するときに誰しもが疑問に思う点だと思います。
著作権の法律に抵触しないためにどんな引用方法ができるでしょうか。逆に侵害された場合はどう対処できるかまとめました。
著作権法とは
著作権法について詳しく説明すると長くなりますので簡単に説明したいと思います。
著作権法とは著作者の利益を保護する法律です。
日本においてこのような法律は明治時代から存在しています。その後改正が加えられ現在の著作権法は1970年に制定されたものになります。
著作権を侵害してしまうと大きな罰則が科せられるので注意が必要です。
罰則は侵害した種類にもよりますが、最高で10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金となります。
ウェブサイトで著作権侵害をして逮捕された最近の大きなニュースとしては漫画を違法にアップロードして公開していた「漫画村」の運営者が逮捕されたことです。
またサイト内のコンテンツをコピーして損害賠償請求をした(された)という話は日常茶飯事のように起きています。
自分は見つからないだろうなどと考えずに法律に抵触しないようにサイトを作成する必要があります。
ツイッターの引用・埋め込みは著作権違反か?
ツイッターの引用・埋め込みは著作権違反になるか少し疑問に思われる方もいるでしょう。
ツイッターのツイートの著作権違反についてお話していきます。
ホームページやブログの場合は他人のツイートを勝手にブログへ引用したり埋め込んだりする行為は問題になりません。
理由はツイッターは元々そういう特性を持っているからです。
ツイッターのサービスを利用して埋め込みを行えば、著作権違反を心配する必要はありません。
ツイッターのサービス利用規約を確認していきましょう。
ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾
ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介して自ら送信、投稿または表示するあらゆるコンテンツに対する権利を留保するものとします。ユーザーのコンテンツはユーザーのものです。すなわち、ユーザーのコンテンツ(ユーザーの写真および動画もその一部です)の所有権はユーザーにあります。ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社があらゆる媒体または配信方法(既知のまたは今後開発される方法)を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)を当社に対し無償で許諾することになります。このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。
出典:ツイッターサービス利用規約
基本的にはツィートのコンテンツは投稿者の所有物ですが、運営会社であるTwitter, Inc.はそのコンテンツを世界中で閲覧することを承認したということになります。
そしてツイッターには埋め込み機能があります。ですのでブログなどの記事にツィートを引用・埋め込みしても全く問題ないということになります。
このことはツイッターのサービスの一部をブログなどで閲覧できる状態にしているだけでツィート自体はツイッター上にあるわけです。
ですのでユーザーが世界中で閲覧することを承認している以上、許可も取る必要がなくツイッターのシステムによる埋め込み機能を利用して公開することは全く問題にならないことになります。
駄目なケース
ツィートのスクリーンショットを撮ってそれをブログなどに公開することは表示される外観は変わりませんが著作権的にはNGになります。
あくまでも使用できるのはツイッター側であり埋め込み機能などを利用している場合などに限ります。
スクリーンショットを撮って掲載しても普通はあまり問題になることはありませんがトラブルになる可能性もありますので手間も掛からないのでツイッターの公式の埋め込み機能を利用しましょう。
※ユーチューブの動画埋め込み機能も基本的には同じです。
引用とは
では他の人の著作物を全く利用することができないかといえばそうではありません。
著作権法で定義されている範囲での引用であれば利用することができます。第三十二条と第四十八条ではこのように書かれています。
(引用)
第三十二条
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。(出所の明示)
第四十八条
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十七条第一項、第四十二条又は第四十七条の規定により著作物を複製する場合
出典:公益社団法人著作権情報センター
要約すると第三十二条で示されているように引用するには確たる目的が必要です。つまり引用した部分をメインコンテンツとすることはできません。
メインコンテンツはオリジナルであることが必要で、そのオリジナルのコンテンツの情報の補うため等の目的ですることができます。
また第四十八条で示されているように「出所の明示」も守らなければなりません。
どこから引用しているものなのか情報源をはっきりと示す必要があります。
引用部分がどこから始まりどこで終わっているのかも示す必要があります。ウェブサイト上では一般的にダブルクォーテーション(“ ”)記号を使って引用の範囲を示します。または引用タグを使って記述します。
<blockquotea>~</blockquotea>
著作権を侵害された場合は
自分のオリジナルコンテンツをコピーされたり画像をパクられたりすることもあり得ます。
そのような時にどのように対処できるでしょうか。
これには色々できることがあります。どこまで行うかは個人の決定になりますが以下が挙げられます。
- 侵害者に連絡して自分の著作物を消してもらう
- Googleに著作権侵害の申し立て(通称DMCA侵害)を行う
- 提訴する
Googleに著作権侵害の申し立て(通称DMCA侵害)を行う
Googleに通報することで著作権侵害者のコピーコンテンツを検索結果から消してもらうことができます。
Googleは検索エンジンを牛耳っているためGoogleから著作権の侵害が認められてコピーコンテンツが無くなれば、もうそのコンテンツはこの世界から消えたようなものです。
コピーコンテンツのせいで自分のサイトに集客ができなかったり評判が損なわれているとしたら、Googleへの通報はぜひとも行うべき効果的な手段です。
Google著作権侵害の報告フォーム
提訴する
損害賠償請求をする場合はまずは個人的に連絡し、内容証明を送るなどすることができます。それで上手くいかなければ提訴して裁判をし損害賠償や慰謝料を請求する段取りになります。
損害賠償の額は自分で決める必要がありますが、いくらでも取れるというわけではありません。妥当な請求額はある程度法律を根拠に計算することができます。
取れそうな請求額を見積もってみて提訴に踏み切るかどうかも考慮できます。
著作権切れについて
著作権はある条件を満たされれば切れてしまい、その後は誰もがその著作物を自由に利用できます。
著作権切れのコンテンツには小説や漫画、音楽、映画などがあります。
著作権フリーのおすすめサイト
ウェブサイトの作成においては画像を多用するかと思いますが、自分でオリジナルの画像をいちいち作るのはとても面倒です。
画像素材サイトは有料利用のもあれば無料利用できる素材サイトもたくさんあります。無料利用できる場合でも利用条件を提示している場合がありますので各サイトに書かれている利用ルールをしっかりと把握しておく必要があります。
おすすめの無料サイトをご紹介いたします。
いらすとや
誰もが一度は見たことがあるやさしくて温かみがあるタッチのイラスト集です。
ネットや動画、テレビでも見ることがあります。
ものすごいジャンルのイラストが展開されているため、サイト内でキーワード検索すればほとんどの場合自分のほしい画像を見つけることが出来ます。
ぱくたそ
フリーの写真素材サイトです。特に人物写真が充実しています。人物もありきたりのものではなくトレンドに乗った写真や面白い写真もたくさんあります。
画像編集をせずにそのまま使えるものが多いのでおすすめです。
写真AC
写真ACは人物写真や風景写真、動物、物などあらゆるジャンルの写真を網羅しています。素材の種類と量はかなり多い方のフリーサイトです。
当サイトの画像もお世話になっておりここで探せばほとんどの場合自分のほしい写真を見つけることが出来ます。
イラストAC
https://www.ac-illust.com/
写真ACの姉妹サイトで写真ACのイラスト版です。こちらもたくさんのイラストがあり、大抵はここの中から見つけることが出来ます。1日の利用回数制限がありますが無料会員登録でその回数を増やすことができ、有料会員になるとさらに自由に利用することが出来ます。
そのまま使える写真もあれば画像作成のための素材も豊富なのでフォトショップやGIMP、メディバンなどの画像加工ソフトを使いこなせれば大抵の画像はこの中の素材のみで作れてしまいます。
著作権に気をつけつつフリー素材を使いこなそう
著作権の侵害にならないためには様々な要素を考慮する必要がありますが、引用の方法を使いこなせるようになれば問題ありません。
他の人たちがどのように引用しているのかを参考にするのも一つの手です。