マイナンバーは必要か?確定申告にメリット・デメリットは何か?導入後の注意点

マイナンバー制度は確定申告にどのような影響を 確定申告

マイナンバー制度は、行政の効率化や国民の利便性向上を目的に、平成28年1月からから利用が開始されました。
住民票を持っているすべての国民に12ケタの個人番号「マイナンバー」が割り振られており、さまざまな行政手続きの無駄を省くことができるほか、不正の防止にも役立つといわれています。
おもに社会保障、税、災害対策の分野で導入されました。この中で税といえば、身近なのはやはり確定申告ですよね。
2019年の確定申告から、マイナンバーの記載が必要になりました。制度の導入によって、確定申告はどのように変わるのでしょうか?
マイナンバー制度が確定申告にもたらす影響についてみてみましょう。

確定申告の手続きがスムーズになる

確定申告は、個人が所得を申告することで正しい所得税を計算するためのものです。
これまで、申告を受けた税務署は、企業や公共機関、納税者本人などからの情報を照らし合わせて、申告の内容に間違いがないか確認していました。
すると、情報が決まった形を取らずにばらばらに入ってくるので、手続きが複雑になる上、不正を見つけにくいなどの難点がありました。同姓同名の人の情報を取り違えるなどのミスが起こってしまう可能性も高かったのです。
こういった点を解消するために、マイナンバー制度が役立ちます。今後は、申告する時に提出する各書類にマイナンバーを記入する欄があり、記載が必要になります。
税務署は、企業や各機関からさまざまな形で情報が入ってきても、記載されたマイナンバーを照合すればすべての情報が一覧できるので、ミスや不正の見逃しを減らすことができるのです。
このため、手続きする側の行政も、申告する側の国民も、手続きがしやすくなります。
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お金の流れの見え方がクリアになる

お金の流れの見え方がクリアになる
会社の場合、確定申告は会社がしてくれますが、個人事業主などの方は自分で確定申告をしなければなりません。
納税は国民の義務の一つで、これを怠ると追徴課税されたり、悪質な場合は刑事罰を受けることになります。


しかしもしかすると、これまでサラリーマンとして働くかたわら、副業やアルバイトなどをして、収入を無申告で通していた人もいるかもしれません。(ちなみに、給与所得が2000万円以上になった場合、副業で所得が20万以上になった場合、2か所以上で働いていて、主な職場以外での収入が20万円以上になった場合に確定申告が必要です。)
そして、マイナンバー制度の導入で、お金の流れが一覧できるようになるため、こういった不正行為も発覚がしやすくなるのです。
会社は、どこにいくら支払ったかという支払調書を税務署に提出していますが、マイナンバー制度導入後は、支払調書にマイナンバーを記載することになります。
このため、マイナンバーを確認することで、税務署は個人の収入を把握しやすくなり、その人がどこから、いくら支払いを受けたのか分かるようになっているのです。
これまでは申告をしなければ見えなかったかもしれないお金の支払いも、マイナンバーによって見通しがよくなります。
ですので、「本来ならば収入の分の税金を支払うのは国民の義務」と納得し、当然のことではありますが、収入を隠すような不正はやめましょう。
マイナンバー制度の導入で、取り締まりはより厳しくなったといえそうです。

手続きの変更点

変更点
ただでさえ面倒な確定申告の手続きが、制度によってより難しくなってしまうのでは?とお考えの方も中にはいるかもしれません。そこで、ここでは制度の導入による手続きの変更点を見ていきましょう。
まず新しい手続きです。マイナンバーの導入によって、提出書類にはマイナンバーを記載することになります。
控除の対象者になる配偶者や扶養親族がいる場合は、その人たちの分のマイナンバーの記載も必要です。
さらに、マイナンバーによる各種手続きを行う際は、なりすましなどの発生を防ぐため、厳格な本人確認も義務付けられています。
確定申告もそのうちのひとつで、申告時にマイナンバーカードや通知カードなど個人番号が確認できるものに加え、運転免許証などの身分証明証が必要になります。ですので、両方を用意するようにしてください。
また、制度の導入によって、不要になる手続きもあります。
「住宅ローン控除」や「居住量財産の譲渡所得の特別控除」などの申告には、これまで住民票の写しが必要でした。
しかしマイナンバーを使うことで税務署が氏名や住所を確認できるので、導入後から添付が不要になりました。
このほか、マイナンバーで管理されている医療費控除、国民健康保険や国民年金保険の証明などの書類は、添付が不要になっているようです。
このように、マイナンバー制度には必要書類が削減できるというメリットがあります。これは利用者にとってありがたいですね。
また、インターネット上で行政手続きができる「e-Tax」を利用も簡単になります。
これまでは「住民基本台帳カード」が必要でしたが、マイナンバーカードに本人確認に必要な電子証明書が組み込まれているため、マイナンバーカードを使って利用することが可能です。
他にも、住民基本台帳カードは3年ごとの更新が必要でしたが、マイナンバーカードはおよそ5年有効ですので、更新を行なう手間も省けるというメリットがあります。

導入後の注意点

導入後の注意点
マイナンバー制度の導入によって、行政や企業、機関のあいだで連携がしやすくなり、さまざまな手続きが省略可できます。
しかし、手続きがしやすいということは、それだけマイナンバーの中に大量の個人情報が含まれているということです。
そのため、マイナンバーの取り扱いには十分に気をつけなくてはいけません。番号は他人に見られないよう厳重に管理して下さい。
確定申告時などに使用する、番号が記載された書類は特に、取扱に注意が必要です。確定申告時に提出する書類には、人によっては個人の番号のほかに扶養親族や配偶者の番号も記載されていることもあるでしょう。
もし情報が漏えいした場合、自分だけではなく親族や配偶者にも迷惑がかかることになります。それだけ価値の重い情報を取り扱っていることを忘れないようにしましょう。
会社でももちろん、従業員が多ければ多いほど大量のマイナンバーを管理しなければならなくなるので、厳重なセキュリティーが求められています。
マイナンバー制度には、さまざまな手続きが便利になる側面もある一方、他人に番号を使われた場合の危険性が増してしまうデメリットもあるのです。

マイナンバー導入で確定申告はスムーズ&クリアに。マイナンバーの取り扱いには十分な御注意を

マイナンバー制度の導入により、行政、企業などの情報を照合しやすくなり、手続きが簡略化されます。
また、確定申告も同じで、よりスムーズに手続きが進むことが予想されます。申告する側の国民は、マイナンバーの記載や個人確認をしなければならない点はあるものの、提出書類が少なくてすむなどの利点もあり、手続きがよりしやすくなりました。
加えて、マイナンバーを照会することで、税務署はよりお金の流れを把握しやすくなるため、収入の申告漏れを防ぎやすくなります。無申告による脱税は犯罪ですので、正しく申告をするようにしましょう。
注意するべきなのはマイナンバーの管理です。マイナンバーはうまく使えば便利なものの、他人に知られて悪用されてしまうと非常に危険です。さまざまな個人情報が含まれたマイナンバーの取り扱いには、十分注意しましょう。

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