住民税はいくらから課税?確定申告すれば申告不要?意外と知らない住民税の還付

確定申告における住民税とは? 確定申告

実は、意外と知られていないことなのですが、所得税の還付住民税の還付は全くの別物だということを知っていましたか?
この記事では、住民税とはどのようなものか?申告は義務づけられているのか?などの住民税に関する情報をご紹介していきます。

申告場所に注意!

所得税と住民税は全くの別物とご説明しましたが、確定申告をおこなう場所も違ってくるので注意が必要です。
所得税は分類が『国税』になりますので申告をおこなう場合は税務署に。
住民税は分類が『地方税』となるので申告をおこなう場合は市町村役場でおこないます。

住民税は申告が不要?

住民税は申告が不要?
確定申告をおこなっている場合、情報が市町村役場まで回るので住民税の元となります。ですので確定申告をおこなっている場合は、住民税の申告は不要となるのです。では、確定申告をおこなっていない方の住民税はどうなるのでしょうか?一般のサラリーマンの方は、会社が年末調整をおこなってくれているので年末調整の情報がそのまま市町村役場に回り、基本的には問題がありません。
しかし、以下の条件が当てはまる方は確定申告をおこなわなわなくてもよいのですが、代わりに住民税の申告が義務付けられます。
・給与所得者で、給与所得以外の所得金額が20万円以下の人
・公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等以外の所得金額が20万円以下の人
住民税の申告義務は知らない方も多く、実際に住民税の申告をおこなっていない方も非常に多いですが、申告をおこなわないと環付金をもらえる可能性はなくなってしまうので上記の条件に当てはまり、確定申告をおこなわない方も、しっかりと住民税の申告をおこないましょう。

住民税は所得税に比べて還付される可能性が低め

住民税には還付金がある場合とない場合があり、その可能性は、所得税の還付に比べるともらえる確率が低めとなっています。その理由は所得税と住民税の納税方法の違いにあるのです。所得税の基本的な納め方は、給料などから源泉徴収所得税として収めていきます。その金額は給料の総支給額、扶養の人数などの考慮して大体の金額を算出し税務署に前払いいたします。その後、年末調整、確定申告で控除額を考慮し年間確定税金を算出するのです。そして、既に前払いしている税金が年間確定税金より多い場合は、その差額は還付金として返ってきます。
しかし、住民税の納付方法は所得税と異なり、年間所得が確定後に住民税を支払っていく後払いになります。既に当人の税金や所得の情報が揃った上で住民税は徴収されていくので支払額の誤差が出にくく、結果的に環付金は発生しづらくなるのです。

アルバイト・パートの方は注意!

アルバイト・パートの方は注意!
配偶者控除を受ける場合は、給与額を年収103万円以下に抑える必要があるのですが、その場合住民税と所得税では基礎控除額が変わってくるので注意が必要です。その差額は、なんと5万円!所得税は38万円、住民税は33万円となっています。
その結果、住民税は98万円からかかってしまい、住民税の申告が義務付けられてしまいます。
ですので、給料を調節する場合はその金額に気をつけねばなりません。

非課税証明書のメリット

住民税は必ずしも申告が必要というわけではありません。しかし、住民税の所得割を0円と申告することによって住民税の非課税証明書を入手することが可能になります。
非課税証明書は自身の所得を証明する書類で、低所得者向けの行政サービスを受ける場合、奨学金申請、保育所の保育料計算資料などに利用することが可能になる便利な書類となっています。

住民税はどんな場合に還付があるの?

住民税はどんな場合に還付があるの?
住民税は所得税と比べると還付される可能性が低いとご説明しましたが、その可能性は0%ではありません。例えば、年末調整や確定申告に計算の違いがあった場合住民税が還付される可能性は出てきます。
では、どのような場合に年末調整や確定申告の計算違いが出てくるのか?例えば控除の申告漏れや扶養控除の変更などが発生した場合は年末調整や確定申告の計算違いが発生する可能性が出てきます。扶養控除の場合は、『しっかりと計算してみたら配偶者控除が受けられる事が発覚した』という例は少なくありません。配偶者控除を受けるための条件は、所得が38万円~76万円であること。その条件をクリアしていれば3万円~33万円の控除を受けることが可能になり、追加の申告をおこなうことができます。このようにイレギュラーな申告漏れが合った場合、年末調整や確定申告の計算違いが発生しやすくなり住民税の還付が発生しやすくなるのです。

期限後申告

『あ、申告漏れがある・・・』そんな場合でも大丈夫、確定申告には期限後申告というものがあります。
申告漏れしても税務署で期限後申告をおこなうことによって、控除を受けることが可能になります。税務署に申告後、市町村役場から書類が送られてくるのでその書類を返送すればOKです。このように、期限後申告をおこなった場合も住民税が還付される可能性は上がるので、手間はかかりますがしっかりと期限後申告をおこなうことをおすすめします。また、申告漏れにつきましては税務署や市町村役場から連絡が来ることはなく自分で気づくしかありません。ですので、各控除につきましては自身でしっかりと把握しておくことが重要です。

住民税の計算方法は?

住民税の計算方法は?
住民税の計算方法は、基本的に課税標準金額を元に計算をおこないます。計算方式を知ることである程度自分がどのくらいの住民税を払っているのか?この先どのくらい払わなくてはいけないのか?を把握しておくことが可能です。住民税は所得割と均等割の2種類を合計した金額となっています。
まず、課税標準金額をご紹介しましょう。
        
都道府県民税=均等割1000円+500円+所得割4%
市町村民税=均等割3000円+500+所得割6%
となっています。しかし、これはあくまで課税標準金額なので必ずしもこの金額になるわけではありません。標準課税率を採用していない自治体もあるので、詳細は下記をご覧ください。

都道府県 市区町村 均等割 所得割 超過課税詳細
北海道 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
北海道 夕張市 1,500円 4,000円 4.000% 6.5% 均等割 +500円/所得割 +0.5%
青森県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
岩手県 - 2,500円 3,500円 4.000% 6.0% いわての森林づくり県民税 1,000円
宮城県 - 2,700円 3,500円 4.000% 6.0% みやぎ環境税 1,200円
秋田県 - 2,300円 3,500円 4.000% 6.0% 秋田県水と緑の森づくり税 800円
山形県 - 2,500円 3,500円 4.000% 6.0% やまがた緑環境税 1,000円
福島県 - 2,500円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 1,000円
茨城県 - 2,500円 3,500円 4.000% 6.0% 森林湖沼環境税 1,000円
栃木県 - 2,200円 3,500円 4.000% 6.0% とちぎの元気な森づくり県民税 700円
群馬県 - 2,200円 3,500円 4.000% 6.0% ぐんま緑の県民税 700円
埼玉県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
千葉県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
東京都 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
神奈川県 - 1,800円 3,500円 4.025% 6.0% 水源環境保全税 300円/0.025%
神奈川県 横浜市 1,800円 4,400円 4.025% 6.0% 水源環境保全税 300円/0.025%
横浜みどり税 900円
新潟県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
富山県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 水と緑の森づくり税 500円
石川県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% いしかわ森林環境税 500円
福井県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
山梨県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
長野県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 長野県森林づくり県民税 500円
岐阜県 - 2,500円 3,500円 4.000% 6.0% 清流の国ぎふ森林・環境税 1,000円
静岡県 - 1,900円 3,500円 4.000% 6.0% 森林(もり)づくり県民税 400円
愛知県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% あいち森と緑づくり税 500円
愛知県 名古屋市 2,000円 3,300円 4.000% 5.7% あいち森と緑づくり税 500円
市民税減税条例 -200円/-0.3%
三重県 - 2,500円 3,500円 4.000% 6.0% みえ森と緑の県民税 1,000円
滋賀県 - 2,300円 3,500円 4.000% 6.0% 琵琶湖森林づくり県民税 800円
京都府 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
大阪府 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
兵庫県 - 2,300円 3,500円 4.000% 6.0% 県民緑税 800円
兵庫県 豊岡市 2,300円 3,500円 4.000% 6.1% 県民緑税 800円、市民税 +0.1%
奈良県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
和歌山県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 紀の国森づくり税 500円
鳥取県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境保全税 500円
島根県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 水と緑の森づくり税 500円
岡山県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% おかやま森づくり県民税 500円
広島県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% ひろしまの森づくり県民税 500円
山口県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% やまぐち森林づくり県民税 500円
徳島県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
香川県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
愛媛県 - 2,200円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 700円
高知県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
福岡県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
佐賀県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
長崎県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% ながさき森林環境税 500円
熊本県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 水とみどりの森づくり税 500円
大分県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
宮崎県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
鹿児島県 - 2,000円 3,500円 4.000% 6.0% 森林環境税 500円
沖縄県 - 1,500円 3,500円 4.000% 6.0%
沖縄県 金武町 1,500円 3,200円 4.000% 5.4% 町民税減税条例 -300円/-0.6%
参考URL<http://www.zeikin5.com/
住民税を計算する場合この表を見て、自分の課税される自治体の課税金額を参考に計算しましょう。

住民税還付まとめ

住民税還付まとめ
住民税は、還付される可能性はあまり高くないですがその可能性は0%ではありません。また、年末調整などをおこなっている場合申告が不要なのも大きなメリットです。住民税の注意ポイントとしましては、基礎控除の違いに最も注意しなくてはいけません。基礎控除が5万円も違うなんて知らない方も多いと思いますので、もし周りに知らない方がいる場合は教えてあげましょう。その5万円で課税されるかどうかが決まってしまうので、実は非常に大きな5万円なのです。
『住民税の課税は98万円から!』ということをしっかりと覚えておきましょう。

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